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はじめに
再帰代名詞とは動作主(主語)自身を表す代名詞で、一般に oneself と表現されます。
用法は次の2つです。
❶ 〔再帰用法〕
動詞や前置詞の目的語となる。
(ただし、主語=目的語の場合のみ)
❷ 〔強調用法〕
主語・目的語・補語を強調する。
(原則、強調する語の直後に置かれる)
普段何気に触れていると思いますが、この機会にしっかり学習しましょう。
再帰代名詞の形
単数 | 複数 | |
1人称 | myself | ourselves |
2人称 | yourself | yourselves |
3人称 | himself herself itself |
themselves |
* 一般形 oneself
再帰代名詞はネイティブが編み出したテクニック
(高) 読み飛ばして大丈夫です
再帰代名詞は英語という言語が出来上がる過程で必要とされたテクニカルな存在です。
そのわけを
自己紹介
の文で説明したいと思います。
★
「自己紹介させてください。」は
もし myself という再帰代名詞がなかったら
*May I introduce me? (← 誤った文です)
と言うしかなさそうです。
☆彡
この文の文型をチェックしてみましょう。
May I introduce me ?
助 S (他)V O
introduce は他動詞ですから目的語(O)を伴います。
つまり第3文型 SVO になっています。
ですが、第3文型 SVO は S ≠ O でなければなりませんでしたね。
ところが、上記例文では
I = me ( S = O ) となり、文型のルールに反してしまいます。
矛盾が生じているのです !!
そこでネイティブは考えました。
「特殊な名詞 myself をこの場面で使うことにしよう」
そして
「この時は、意味的には S = O にはなるが、形は S ≠ O で第3文型 SVO は成立することにしよう」と。
こうして完成した形が
May I introduce myself?
です。
どうしても文型のルールにこだわる向きへの説明として
introduce myself 「自己紹介する」
(他) +[再帰代名詞]=<自>
「2語のカタマリで自動詞の意味と考えてもいいよ(熟語)」と話を納めたのです。
*形式的な区別の必要性から編み出されたもの
上記例文は「自分から自己紹介させてください」と許可を求めるものですが、
逆に他者からあなたに「自己紹介してもらえるかどうか聞く」という場面もありますね。
その場合に例えば
Will you introduce yourself?
自己紹介してくれませんか。
といった表現になります。
さらに、より丁寧に相手の意思を聞き出すには
Would you ・・?
とwillの過去形のwouldを使います。
* wouldは助動詞の過去形ですが、時制は「現在」です。
英語は日本語のような敬語が少なく、過去形を使うことで距離感をとり「より丁寧」な感じを作り出しています。
❶ 再帰用法 (目的語になる)
⑵ 再帰動詞の目的語となる(省略可)
⑶ 一般他動詞の目的語となる
⑷ 前置詞の目的語となる
では、それぞれ具体的に説明していきます。
今は(3)(4)を見てみましょう。
⑶ 一般動詞の目的語になるケース
中1
enjoy oneself 楽しい時を過ごす
一般動詞enjoy の場合、⦅命令形⦆でしか(自)の用法が無い。
📚 参照
→ したがって、決まった自動詞の使い方以外で<自動詞>が欲しい時、
ここでは「楽しい時を過ごす」という自動詞表現をしたいと思った時に
一般動詞enjoy の目的語に「再帰代名詞 oneself」を迎え、
<自> enjoy oneself が登場するに至りました。
present oneself
(他) + oneself
<自>現れる、(機会などが)訪れる
*present に (自)の用法はありません。
In a few years, a new opportunity presented itself, and she took advantage of it. (筑波大)
数年後、新しい機会が訪れ、彼女はそれを利用した。
—–
* 主語が opportunity なので → itself を使う
take advantage of ~ ~を利用する
☆
多義語の present
発音 | 意味 | ||
他動詞 | prizént | 贈呈する 提示する もたらす 姿を現す/ ・・ |
|
自動詞 | - | ||
形容詞 | *限定用法 | préznt | 現在の |
*叙述用法 | 出席している | ||
名詞 | 贈り物 プレゼント |
⑷ 前置詞の目的語になるケース
Believe in yourself more.
もっと自信を持ちなさい。
↑
(自分自身を信じなさい)
believe in 人 人を信用(信頼)する / ~の存在を信じる
cf. believe 人 人(の言葉) を信じる
❷ 強調用法
主語・目的語・補語を強調する。
・原則、強調する語の直後に置かれる
・ただし、誤解が生じるおそれが無い場合には、位置は比較的自由
主語を強調
★
目的語を強調
★
補語(C)を強調
(高)
抽象名詞 + itself
↑_ 強 調 _|
= very + 形容詞
He was generosity itself.
S V C
彼は寛大そのものでした。
= He was very generous.
彼はとても寛大でした。
まとめテスト
① 自己紹介させてください。
➁ 自己紹介してもらえませんか。
③ 自己紹介していただけませんか。
① May I introduce myself?
➁ Will you introduce yourself?
③ Would you introduce yourself?
In ( )( ) years, ( ) new ( ) (p..)( ), and she ( )( )( ) it.
数年後、新しい機会が訪れ、彼女はそれを利用した。
In ( a )( few ) years, ( a ) new ( opportunity ) ( presented )( itself ), and she ( took )( advantage )( of ) it.
もっと自信を持ちなさい。
Believe in yourself more.
believe in 人 人を信用(信頼)する / ~の存在を信じる
Her (w..)( )( ) is (抽象名詞) (再帰代名詞).
彼女の考え方はシンプルそのものです。
さらに → (形容詞)simple を使って書き換えよ。
Her ( way )( of )( thinking ) is ( simplicity ) ( itself ).
* 補語を強調しています。
= Her way of thinking is very simple.
* (her) way of thinking (彼女の)考え方
* アクセント注意 simplicity シンプル、平易、単純、簡素
★